アトピー性皮膚炎について
- 2024年4月1日
- お知らせ
皆さんこんにちは。先日、テレビでアトピー性皮膚炎の治療について放送がありました。近年増加傾向で、小児期や20歳代では10人に1人と言われています。成人の患者さんの中には、「どうせ治らない」「ステロイドを塗るだけ」など言われこともありますが、現在は、塗り薬だけでなく、飲み薬や注射など、治療選択肢がどんどん増えています。そこで今回は、アトピー性皮膚炎についてお話ししたいと思います。
アトピー性皮膚炎とは?
皮膚に痒みを伴う湿疹がみられ、その状態が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。皮膚には、私たちの体を紫外線や化学物質、細菌などの外界の環境から守る「バリア機能」の役割があります。
アトピー性皮膚炎の方は、この皮膚の「バリア機能」が低下しています。そのため、皮膚表面が乾燥し、刺激物が皮膚の中に入りやすくなり、皮膚の炎症細胞が活性化されて、皮膚炎やかゆみが起こります。また、皮膚を掻きむしることでさらに皮膚バリア機能が低下し、皮膚の炎症が悪くなるという悪化のサイクルを起こします。
治療方法は?
治療の基本は「薬物療法」「スキンケア」「原因や、悪化させる因子への対策」です。まず皮膚のバリア機能を回復・維持させるために、保湿剤を塗ることが大切です。また、湿疹がある場合は炎症を抑えるステロイド外用薬が必要になります。ある程度炎症が治まったら症状のぶり返しのないよう非ステロイドの外用薬を塗ることもあります。痒みの程度に応じて、抗ヒスタミン薬の内服を併用することもあります。また生活習慣によって悪化することもありますので、当院では薬の塗り方や生活上の注意点をご説明するようにしています。
さらに効果が不十分な場合、当院では生物学的製剤やJAK阻害剤といわれる薬を使用している方もおられます。患者さんの症状だけでなく、悩み事、ライフスタイルに応じて患者さんと一緒に治療を検討していますので、ぜひ一度診察にいらして下さい。スタッフ一同お待ちしております。